[基礎編]サーフェイサーについて知ってみよう

2021年8月4日

最初に言っておくと、タイトルに反して実は私はサ―フェイサー吹かなくてよいと思っている派です。

とはいえ、プラモデル始めたばかりの人にとってサ―フェイサーって何?とか
塗装する前に吹いた方がいいって聞いたから…と言ったことがあると思います。
そこで、まずはサーフェーサーを何のために使うのかから書いていきたいと思います。

実際に吹くのは後程実践編かけたらいいなと思います。

Table of Contents

    サ―フェイサーって何?

    大抵のプラモ作っている人はサーフェイサーについて説明するまでもないのでしょうが、
    一応読んでいただいてる方の中にこれから始める人もいるかもしれないので軽く説明。

    サ―フェイサーとは化粧で言うところのファンデーション
    要するに「下地」ですね。

    化粧するかたにはよくわかると思いますが、肌の表面は微細な凹凸があります。
    それを綺麗にならしてあげることで化粧のノリがよくなります。

    ファンデーションのイメージ

    それじゃプラモの表面ってデコボコなの?
    見てわかる通り答えはNOですよね。
    それじゃなんのためにサ―フェイサー使うのかといったところで次の項目。

    サ―フェイサーの役割とは

    一般にサ―フェイサーの役割は下記の5つと言われています。

    • プラモデルの色と質感を整える
    • 細かい傷を消す・隠す
    • 表面のほこりや傷を見つけやすくする
    • 塗料の食いつきをよくする
    • 本体の色が透けるのを防ぐ

    確かにこうしてみると、塗装するのであればサ―フェイサーって必要だなぁって思いますねー。

    プラモの色と質感を整えるとは?

    なんでせっかく色付きのプラモにわざわざ塗装するの?と言われたら、
    もちろんオリジナルの色塗りたい人たちもいるかと思いますが…
    より元のデザインに近く、かっこよく仕上げたい!って人結構多いのではないでしょうか。

    説明書にもここは何色!ここは何色!って指示してもらっているのでその通り塗ればよいのですが…
    たまーに、元の色が違うパーツに同じ色の指示がされていることがあったり…

    もう少しうまくなってくるとパテで傷を埋めたり、ディティールアップパーツを付けてみたり。

    そうなってくると1色の色をちぐはぐな本体の色の上に塗っていかないといけなくなります。
    塗りたい色が強い色で隠ぺい力あればよいのですが、黄色や白などの隠ぺい力が低い色
    逆に本体の色が黒や濃いグレー、赤などの強い色となってくると…

    下地の色が透けてしまうんです。
    これを消すために何度も何度も重ね塗りをしていくと細かな溝が消えたり、
    なんだかぼてっとした感じで質感が損なわれてしまうことも…

    そこで隠ぺい力の強いとされているサ―フェイサーを下地として塗っていくわけです。

    塗りたい色に合わせて下地の色を選ぶこともありますが、それはまた別の機会に。

    細かい傷を隠す!

    ファンデーションに例えたように、実はこれが主なサ―フェイサーの効果となります。

    でもさっきプラモの表面はデコボコしてないと言いました。
    じゃあなどこに細かい傷があるの?ということになるのですが…

    プラモデルをランナーから切り離したときのゲート跡
    丁寧に作ろうとしたらここってやすり掛けして平らにしますよね。

    合わせ目消しをしている人達なんか一周ぐるりと削っていると思います。

    さて、その削った跡はつるつるですか?
    もちろんしっかり目の細かいやすりで仕上げていれば綺麗になっているかもしれませんが、
    ざっくり削って400~800くらいで仕上げると、まぁまぁ細かい傷残りますよね。

    これ、使う塗料の粒子が細かかったり、クリアー系の色とか吹くとそのまま残ります。

    そうするとせっかく綺麗に仕上げたいから塗装しているのにしっかり傷が目立っちゃいます

    そこでサ―フェイサー吹いて細かい傷を埋めてあげるんですね。

    サ―フェイサーは色もさることながら番手も細かく揃っています。
    主に使うのは1000番とかになるかと思いますが、ざっくり書くと、
    少し大きな傷を隠すのに500番、つやのある面を作りたいときに1500番など、
    用途に合わせた番手もあったりするので、目的に応じて使い分けもありだと思います。

    500番は商品名にも大きなキズ用と書いてますね。

    グレーサフはほこりや傷を見つけやすくなる

    240番、400番、600番、800番と少しずつ細かくやすり掛けをしていって、
    よし、これで綺麗にゲート処理が出来たぞ!と思いきや…
    最初にかけた240番や400番の傷が思ったよりも深く残っている場合があります。
    紙やすりじゃなく、金やすり使った場合なんかも傷残ったりしますね。

    240や400番の傷も十分細かい傷ではありますが、
    小さいプラモデルからすると十分目立つ傷なのです。

    やすり掛けしていくと表面が白くなってくるので、
    削った粉などで傷が見えにくく、気づかないまま進めてしまうことありますよね。

    他にも合わせ目消しの作業で埋まり切らなかった溝もやすり掛けしてると気づきにくいことがあります。

    いざ塗ってみたらなんか表面ギザギザしてるな…というときは大体これです。
    傷が気になるからと傷を埋める作業したらせっかく塗装したのに台無しですね。

    そこで本番の塗装の前にグレーサフを薄~く吹いてあげることがあります。
    これにより削って白くなった個所が埋まり、大きな傷があればそこだけ残ります
    そうすればさっと手直ししてから綺麗な状態で塗装が開始できますね。

    塗料が食いつきやすくなる

    サ―フェイサーの成分ってラッカーパテと同じ顔料を使っているのですが、
    つまり、それは溶剤が一緒なのでラッカー系の塗料を吹いてるのと同じことなんですね。

    実は大体のプラモデルがこのラッカー系の塗料を吹くと本体にしっかり食いついてくれます
    もちろん爪を立てたり表面が汚れていたりするとはがれちゃうこともありますが…

    そしてさらに、番手によって大小様々ではありますが粒子の大きな顔料を吹き付けています。
    それにより後から塗った塗料がきちんと馴染んではがれにくくなるわけですね。

    本体の色が透けるのを防ぐ

    これはすこーしだけマニアックなお話になります…

    本体の色が透けることなんてあるの?と気になる方いるかと思いますが、
    プラスチックの中に入った光が中の色を付けている粒子に反射して出てくるのですが、
    これが不均一だと全体の色味がちょっとぼんやりした色になります。
    食品保存容器のちょっと濁った透明の容器をイメージしてもらえたらわかりやすいでしょうか。
    それをプラスチックの表面だけで全部反射させてあげたら綺麗な色の出方になります。

    プラスチック内で反射した光のイメージ

    他にも少し状況が限られてきますが、
    撮影時にライトアップしたり、内部にLEDを仕込んで発光させることもあります。

    強い光が当たることで、プラモデルも内側が均一な厚みではないため、
    肉厚なところに影が生じてしまいます。

    せっかく綺麗に写真を撮ろうとしたのに影のせいで余計な陰影出来たら残念ですね。

    サ―フェイサーは顔料を吹いているので遮光性も高く、
    こういった光漏れなどに対しても通常塗料よりも効果が高い場合があります。

    サ―フェイサーじゃなきゃダメなの?

    ここまで書いておきながらも、冒頭にあるように私はサ―フェイサーなくてもよい派です。

    というのも、表面を平滑にするのも強い隠ぺい力もサ―フェイサーに限った性能ではないのです。

    ラッカー系の塗料を使って塗装している人からすると、
    そもそもラッカー系なので塗料の食いつきが良いうえに、
    表面の細かい傷はきちんと番手の大きなペーパーなどでやすり掛けをしてあげればよく、
    今は隠ぺい力の高い塗料がたくさん出ているので、
    使いやすい色、塗装したい色に合わせた塗料を吹いてあげるだけで十分なのです。

    むしろ、サーフェーサーはパテと同じ成分なので、
    厚く吹いてしまうと細かいモールドなどを消してしまう恐れがあるのです。

    例えサ―フェイサーを吹いても、サ―フェイサーの前後で他のあぶらなどがプラモデルについてしまうと、
    サ―フェイサー事塗装が剥がれ落ちる原因にもなります。

    そのため、私は丁寧に表面処理をしてあげて、使いたい塗料に合わせた下地色を塗っています。
    ガイアノーツさんから出ているEVOシリーズやNAZCAなどは細かな調色が必要ないうえに容量も多く重宝しております.

    EVOシリーズでは黒が隠ぺい力抜群でヘビロテしています。
    メカサフシリーズは一時在庫切れするくらい人気でしたね。
    間接などのメカ部分を塗装するのにちょうど良い色だったのでよく使っています。

    さいごに

    つまるところサ―フェイサーは使った方がいいの?使わない方がいいの?
    といった話が残ってしまうのですが…

    結論から言うと、まずはサ―フェイサーで塗装下地の雰囲気を覚えるのが良いのではないでしょうか。
    作業性をアップしてくれるツールの一つとして考えればよいと思ってます。

    具体的にどのように使い方を切り替えていくかはまた今度書きたいと思います。